グッドバイ、バッドマガジンズ
制作国:日本(2022)
日本公開日:2022年10月28日(拡大公開日:2023年1月20日)
上映時間:102分
監督:横山翔一
脚本:横山翔一、山本健介、宮嶋信光
撮影:佐藤直紀
出演:杏花、ヤマダユウスケ 他
あらすじ:志望していた女性誌とは正反対の男性向け成人雑誌の編集に配属されてしまった女性。ひと癖もふた癖もある編集者やライター、営業担当者たちに囲まれながら一人前の編集者として成長していくが、物語は思わぬ方向へと転がっていく。性的メディアに従事する多くの関係者に取材を行い、電子出版の台頭による出版不況、東京オリンピック開催決定に伴うコンビニエンスストアからの成人雑誌撤去、新型コロナウイルス感染拡大の影響など、激動の時代を生きる人々の苦悩と葛藤を描き出す。(映画.comより)
評価:★★★★☆
感想(ネタバレあり)
思っていたより業の深い話
思わずクスりとさせられる場面もあるので一応コメディのカテゴリに入れたのですが、基本的にはちょっと切ないお話だと思います。端的に言えばこのお話は、世の中の変化という個人の力では太刀打ちできないできないものに対し、人は折り合いをつけなければならないという非常に普遍的な物語になっています。
一応、成人向け雑誌という題材を扱っていますが、実質的には出版業界において「今。雑誌を作ること」のお話です。とにかく雑誌を作るのが大変なのがわかります。会社に泊まり込むのは当たり前だし給料は安い。そこまでの労力つぎ込んで作っても売れ行きはどんどん落ちてきていて廃刊になる雑誌も増えていく。それでも編集者たちはおもしろいものがまだ作れると信じているし、それが出来たら評価されると信じて仕事を続けるわけですが、今作はそういう編集者の情熱に素直に応えてくれるような作品ではありません。
でも観終わったあとは不思議と爽やかな感慨も残る作品でした。公開館数がそれほどある映画ではないと思いますが、もっと評価されて欲しいと思った作品です。