アンチャーテッド
制作国:アメリカ(2022)
日本公開日:2022年2月18日
上映時間:116分
監督:ルーベン・フライシャー
脚本:レイフ・ジャドキンス、アート・マーカム、マット・ホロウェイ
撮影:チョン・ジョンフン
出演:トム・ホランド、マーク・ウォルバーグ 他
あらすじ:ニューヨークでバーテンダーとして働くネイサン・ドレイク(ネイト) は、器用な手さばきを見込まれ、トレジャーハンターのビクター・サリバン(サリー) から、50億ドルの財宝を一緒に探さないかとスカウトされる。ネイトは、消息を絶った兄のことをサリーが知っていたことから、トレジャーハンターになることを決意する。同じく財宝を狙う組織との争奪戦の末に、手がかりとなるゴールドの十字架を手にしたネイトとサリーは、500年前に消えたとされる幻の海賊船へとたどり着くが……。(映画.comより)
評価:★★☆☆☆
◆感想(ネタバレなし)
ソニー制作、トム・ホランド主演、アクション映画、と三拍子揃ったら、どうしたって最近までやっていた『スパイダーマン』を連想してしまいます。事実画的に既視感のあるところも多く、「糸だせばいいのに」と思ってしまった場面が何度かありました(笑)。
今作は良くも悪くもトム・ホランドを堪能するための映画です。『スパイダーマン』のときには気づきませんでしたが、こんなにアクションの出来る役者さんなんですね。中でも白眉は中盤のパルクールアクションです。トム・ホランドの顔がしっかり映るように撮っていてスタントでないことが強調されていました。そして特に意味もなくトム・ホランドが上半身裸だったり、無駄に水に濡れるシーンが多かったりして、そっちの面でもサービスがいき届いています(笑)。
お話面に関しては起こる出来事も、人物の行動原理もリアリティとしては低めです。基本的にはアクションを楽しむものと思っていた方が良いと思います。
*以下ネタバレです。
◆ネタバレ
ネイトはサリーから紹介された別のトレジャーハンター、クロエと共にバルセロナの地下通路に入る。様々な仕掛けをクリアして宝の地図を手に入れるが、それをクロエに持ち逃げされてしまう。クロエは財宝を狙うモンカーダ家の内通者だった。しかし、同じくモンカーダ家に協力していたブラドックが雇い主のモンカーダを殺したことで、クロエはブラドックと袂を分かち、地図を取り返しにきたネイトと協力してモンカーダの飛行機から脱出する。地図を解読したネイトと、ネイトをアプリで追跡してきたサリーは財宝を乗せた2船の海賊船を発見するが、ネイトを尾行してきたブラドック達がやってきて船内に身を潜めなくてはならなくなる。ネイト達に気付かないままブラドックはヘリで海賊船を空輸する。ネイトとサリーは協力して海賊船1船を奪還し、空中で海賊船同士の戦いが始まる。戦いの末にラブドックは死に、海賊船は2船とも大破したが、二人は財宝の一部を手に入れることに成功した。
◆感想(ネタバレ)
この手のジャンル映画にあんまりリアリティを要求してもしょうがないのですが、スペインの地下にあんな仕組みのある通路がある時点で、財宝なんか目じゃないレベルでの大発見な気がしてしまいました。もうこんな通路がある時点でもっと驚けよ、と思ってしまいました。
あとこれを言っては元も子もないのですが、登場人物全員がマゼランの一行の財宝があることを疑いもせず信じている人ばっかりなので、全員ちょっと頭がおかしい人にしか見えないというか(笑)。その世界観に付いていくのに個人的には時間がかかりました。
ネイトとサリーのバディ感が最後だけとってつけたようにあるのも作劇としてはあまり巧くないと思います。サリーとネイトは別行動が多いので、この二人の絆がどこでそんなに深まったのかよくわからないままでした。
繰り返しになりますが、そんなに真面目に観てはいけないタイプの映画です。クライマックスでのヘリで吊るされた海賊船でのバトルなんて馬鹿丸出しというか(笑)、現代の設定だけど海賊船バトルはやりたい、という無茶を押し通してきた感じでした(笑)。
◆まとめ
・トム・ホランドを堪能するための映画
・お話も人物の実在感もリアリティとして低め