潜水服は蛾の夢を見る

主に映画の感想を語るブログです

ダンスウィズミー

ダンスウィズミー

制作国:日本(2019)

監督:矢口史靖

脚本:矢口史靖

出演:三吉彩花やしろ優 他

あらすじ:一流商社で働く勝ち組OLで、幼いころの苦い思い出からミュージカルを毛嫌いする鈴木静香は、ある日、姪っ子と訪れた遊園地で怪しげな催眠術師のショーを見学し、そこで「曲が流れると歌って踊らずにいられない」という“ミュージカルスターの催眠術”にかかってしまう。その日から、静香は街中に流れるちょっとしたメロディや携帯の着信音など、あらゆる音楽に反応するように。術を解いてもらおうと再び催眠術師のもとを訪れた静香だったが、そこは既にもぬけの殻。困り果てた彼女は、催眠術師の助手をしていた千絵とともに、催眠術師の行方を捜すが……。(映画.comより)


映画『ダンスウィズミー』本予告【HD】2019年8月16日(金)公開

 

評価:★★★☆☆

 

◆感想(ネタバレなし)

「つまんなくはないけどちょっと物足りない」というのが正直な感想です。矢口監督は『WOOD JOB!』が凄く良かったので期待していたのですが…。

 

今作は催眠にかかった静香がひたすら困惑する前半と自分に催眠をかけた催眠術師を探す後半の大きく2部に分かれます。今作のミュージカルとしての見せ場はほとんど前半に集約されています。予告編にあるオフィスやレストランでのダンスシーンはどちらも前半のシーンです。物語的には主人公がしだいにミュージカルを受け入れていくという展開なのですが、それと反比例するようにミュージカルシーンの魅力が減衰してしまうというのが、今作のなんだか物足りない印象に繋がっている気がします。

*以下ネタバレです

 

 

 

 

 

 

 

◆ネタバレ

道中で資金が底をついた静香と千絵は、ストリートミュージシャンの洋子を仲間に引き入れてストリートでのパフォーマンスで資金を調達する。その中で静香は歌と踊りのことを少しずつ認めていく。途中で洋子が別れた彼氏への復讐に燃える女だったことが発覚したり、車を盗まれたりといったアクシデントがありつつも、静香と千絵は催眠術師のもとに辿り着く。催眠術師は加齢に伴って術が上手くかからなくなり自信を失っていたが、千絵の励ましで自分を追ってきた借金取りにも術をかけることに成功。静香と千絵と借金取りは会場で歌とダンスを披露し、聴衆を沸かせる。ステージが終わった後、静香の催眠術は解けていた。

 

◆感想(ネタバレあり

ネタバレなしの感想で書いた通り後半につれてミュージカルシーンが失速するのが今作の残念なところです。特に今作の肝である静香がミュージカルを認めていくきっかけになるストリートシーンが地味なのは致命的だと思います。また、クライマックスの舞台でのシーンもそれまでオフィスやレストランのミュージカルシーンに比べると盛り上がりにかけるので、ここにももっと華が欲しかったです。

 

それから細かいところですが反目しあっていた静香と千絵が意気投合する場面。せっかくミュージカル映画なのだから音楽と踊りをきっかけに意気投合する場面にすればいいのに、不良に絡まれて逃げ切ったから意気投合するというのはあまり上手くなかった気がします。

 

ただ、逆に言うと前半はコメディとしてもミュージカルとしても良かったと思います。オフィスのシーンのやっちまった感とか笑ってしまいました。今度はこの勢いが後半まで続く作品が観たいです。

 

◆まとめ

・前半はコメディとしてもミュージカルとしても良かったが、後半失速してしまうのが残念。