潜水服は蛾の夢を見る

主に映画の感想を語るブログです

シャン・チー テン・リングスの伝説

シャン・チー /テン・リングスの伝説 (特典映像付き) (字幕版)

制作国:アメリカ(2021)

日本公開日:2021年9月3日

上映時間:132分

監督:デスティン・ダニエル・クレットン

脚本:デイブ・キャラハム、デスティン・ダニエル・クレットン、アンドリュー・ランハム

撮影:ビル・ポープ

出演:シム・リウ、オークワフィナ 他

あらすじ:犯罪組織を率いる父に幼いころから厳しく鍛えられ、最強の存在に仕立て上げられたシャン・チー。しかし心根の優しい彼は自ら戦うことを禁じ、父の後継者となる運命から逃げ出した。過去と決別し、サンフランシスコで平凡なホテルマンのショーンとして暮らしていたシャン・チーだったが、伝説の腕輪を操って世界を脅かそうとする父の陰謀に巻き込まれたことから、封印していた力を解き放ち、戦いに身を投じる。


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評価:★★★★☆

 

◆感想(ネタバレなし)

今世間で猛威を振るうのはコロナウイルスのオミクロン株ですが、この映画が公開されていた時にはデルタ株が大流行していたため、私は今作を劇場で観るのは断念してしまいました。Disney+で配信されたのでようやく観れたのですが、やっぱり劇場で観たかったなぁと思いました。

 

今作は割とジャンルミックスな映画です。MCU映画でカンフーモチーフなので当たり前ですがベースはアクションです。ただ、後半はかなりがっつりファンタジーになり、怪獣映画要素も出てきます。ネタバレになるのでここではあまり詳しく書けませんが、怪獣映画好きの私としてはこの展開は大満足でした。

 

主人公シャン・チーを演じるのはシム・リウという俳優で、今作までほぼ無名の俳優とのことですが、非常によく動ける俳優ということでケビン・ファイギが抜擢したとのことです。事実、とても美しいアクションでした。

eiga.com

 

シャン・チーの妹シャーリンを演じるのはメンガー・チャンという俳優で、この方もこれまでは無名の方でした。シム・リウと違ってアクションの経験があったわけではないため、トレーニングはめちゃくちゃ大変だったらしいですが、この方も素晴らしい演技をしています。ちなみにシャン・チーの妹という設定でしたが、実年齢はシャン・チーを演じるシム・リウよりこの方の方が上のようですね。

front-row.jp

 

シャン・チーのサイドキック、ケイティを演じるのはオークワフィナ。こちらは売れっ子の俳優さんですね。『ジュマンジ』のときもそうでしたが、コメディパートを担っています。

dreamofmoth.hatenablog.com

 

*以下ネタバレです

 

 

◆ネタバレ

友人のケイティと共に中国、マカオに向かったシャン・チーはそこで妹のシャーリンと再会する。そこに二人の父、ウェン・ウーも現れ、3人を彼の組織、テン・リングスの基地へと連れて行く。ウェン・ウーは亡くなった妻がター・ローと呼ばれる地に捕らわれていて、助けを求めていると主張する。シャン・チー、ケイティ、シャーリンの3人は、ター・ローから来た生き物モーリスとモーリスと話ができるトレヴァーに導かれ、ター・ローにたどり着く。ター・ローではシャン・チーの伯母、イン・ナンが彼らを迎え入れる。イン・ナンはウェン・ウーが聞いたという妻の声は、ター・ローにあるダークゲートの向こうに閉じ込められている魔物のまやかしだとシャン・チーに伝える。ほどなくしてウェン・ウーが配下を連れてター・ローにやって来る。妻が捕らわれていると信じて疑わないウェン・ウーはダークゲートを開けてしまう。中から魔物が現れ、ター・ローの戦士達とウェン・ウーの配下は共闘して戦う。戦いの中でウェン・ウーは命を落とし、死の間際にシャン・チーにリングを授ける。ター・ローに潜む龍の力を借り、シャン・チーとシャーリンは魔物を倒すことに成功する。アメリカに戻ったシャン・チーとケイティは魔法使いのウォンに呼び出され、リングがどこかに向けて信号を放っていると聞かされる。一方、中国に残ったシャーリンは父に代わってテン・リングスを再組織する。

 

◆感想(ネタバレあり)

ファンタジーが好きな私としてはやっぱりター・ローで次々と出てくる不思議な生き物が良かったです。シネマンドレイクさんのブログによるとあそこに出てくる生き物はみんなきちんと中国の伝説上の生き物のようです。

cinemandrake.com

なんと言っても私の心を掴んだのは龍ですね(小学校低学年みたいな感想ですが…)。どうしてもこういうファンタジーや怪獣映画に出てくる巨大生物は西洋的な”竜”=ドラゴンがモチーフになっていることが多いのですが、今作はしっかり東洋的な“龍”が出てくるのが嬉しいところです。火なんか吹いたりしないで、水を操るという神秘的な戦い方をするところも好印象でした。作り手側が良くわかっているなと思います。

 

2時間越えの作品なのですが、お話のテンポが非常に良くどんどん展開していってくれるのであまり長くは感じませんでした。一点気になったのはター・ローにやってきた後にシャン・チーがあまりにもすぐに父との戦闘モードになってしまうことでしょうか。魔物の仕業だとわかったんだからいきなり″血で報いる”なんて物騒なこと言わなくても…と思ったり。

 

主要キャラクター3人、シャン・チー、ケイティ、シャーリンはどれも魅力的にキャラが立っていました。オリジンストーリーとしては十分な出来だと思います。

 

◆まとめ

・怪獣映画要素の龍が良い

・お話のテンポが良い

・主要キャラクターが皆立っている。