きみと、波にのれたら
制作国:日本(2019)
上映時間:96分
日本公開日:2019年6月21日
監督:湯浅政明
脚本:吉田玲子
総作画監督:小島崇史
あらすじ:サーフィンが大好きで小さな港町に引っ越してきた向水ひな子は、町で起こった火事騒動をきっかけに消防士の雛罌粟港(ひなげし・みなと)と知り合い、恋に落ちる。2人は互いにかけがえのない存在になっていくが、ある時、海で溺れた人を助けようとした港が命を落とし、そのショックでひな子は、大好きだった海を見ることすらできなくなってしまう。そんなある日、ひな子が2人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。再び港と会えたことを喜ぶひな子だったが……。(映画.comより)
評価:★☆☆☆☆
◆感想(ネタバレなし)
映画を作るって、いろんなしがらみがあって大変なんだろうな…。この映画は観終わったったあとそんなことをつくづく考えてしまう映画でした。もちろん制作の経緯なんぞ私が知るわけはないのですが、恐らく「片寄涼太が主演でその主題歌をGENERATIONS from EXILE TRIBEが歌う」ということが先に決まって作られた映画なのだと思います。
ただ、この片寄涼太がはっきり言ってあんまり声優が上手ではありません。しかも彼が演じる港という役は完全無欠の好青年なのです。それだけに却って人間味に乏しい感じになってしまい、片寄涼太のあまり上手でない演技と相まって何を考えているか分からないキャラクターになってしまいました。
そしてあらすじにある“思い出の歌”というのは、もちろん本作の主題歌でGENERATIONS from EXILE TRIBEが歌う「Brand New Story」です。この歌がキーになるので劇中で何度も「き~み~が~」と歌うのですが、主題歌であることを知って観ているとやっぱりすごい販促をしているようにしか観えない(笑)
お話そのものもあまりおもしろいとは言えませんでした。次の展開が容易に読めてしまいます。それでもキャラクターに魅力があれば良かったのですが、今作はそこも弱いのでなんだかあんまり見どころが無かった気がします。
*以下ネタバレです
◆ネタバレ
歌うことで港が水の中に表れることに気付いたひな子は彼と暮らせることを喜ぶが、港を何度も呼び出すと消えてしまうことに気付く。それ以来ひな子は港を呼び出すことを控える。港の実家に立ち寄ったひな子は、自分が子供の時に溺れた港を助けていたことを知る。ひな子はこれをきっかけにライフセーバーの勉強を始める。ある日、火事の現場に遭遇したひな子は港を呼び出す。港は自分の力で火事を消し止めると天に昇って行った。
◆感想(ネタバレあり)
この話は途中まで水の中の港はひな子にしか見えないただの幻覚かもしれないという描かれ方をしています。これはクライマックスまでとっちかわからない方がおもしろかった(何なら最後までわからないままでも良かった)と思うのですが、途中で水の中の港の側の視点が出てきてしまうので、存在しているのが分かってしまいます。
あとひな子に告白した山葵の気持ちはどうなってしまうのでしょうか。山葵は良いやつだったのでここが曖昧になってしまったのは可哀そうだと思います。
◆まとめ
・港が何を考えているかわからないキャラクターになっている
・Brand New Storyの販促感が凄い
・話があまり面白くない